AI
人工知能概論
⼈⼯知能という呼び名が⽣まれて60年以上が経過し,⼆度のブームを経て,現在の三度⽬のブームも落ち着きつつある.Deep Learningという能⼒の⾼い機械学習法が⽣み出されたことが主たる要因であるが,この技術のみでは,真に⼈⼯的に「知能」を創ることはできない.本講では,次世代の汎⽤型・⾃律型⼈⼯知能を実現させるために重要な複雑ネットワークやプランニング,そして,アフォーダンスといったモノの⾒⽅や,注⽬されつつある,社会シミュレーション等について概観する.
日程 | 講義内容 | |
第1回 | 10月11日(水) 17:50~19:20 | 人とAIとの共生にあるべき関係(講義) キーワード:AI概論,Society5.0,人とAIとの共生、創造することとは? |
第2回 | 10月11日(水) 19:35~21:05 | 繋がることとは?(講義) キーワード:複雑ネットワーク,イノベーションとクリエーション |
第3回 | 10月14日(土) 10:30~12:00 | 複雑ネットワーク基礎(講義) キーワード:ネットワーク構造,SmallWorld,Scale-Free Network |
第4回 | 10月14日(土) 13:00~14:30 | 社会シミュレーションへの期待(講義) キーワード:マルチエージェント,交通・CODIV-19感染シミュレーション |

栗原 聡
慶應義塾大学 教授
人工知能先端研究センター 所属
人工知能ビジネス応用
1990年代後半に、GoogleやAmazonなどのウェブサービスを起点にはじまったビッグデータ活用の流れは、統計的機械学習、ディープラーニングなどの人工知能(AI)技術の成熟を経て、いまや全世界の産業社会システムそのものを変革しつつある。本科目では、現代のウェブシステムにおけるAI応用がビジネス価値をどのように生み出しているかを概観するとともに、実世界のニーズや課題に応えるAIシステムの在り方について論じる。
日程 | 講義内容 | |
第1回 | 10月18日(水) 17:50~19:20 | AI技術の動向(講義) キーワード:エキスパートシステム、機械学習、ベイズ統計、ディープラーニング |
第2回 | 10月18日(水) 19:35~21:05 | AI技術の動向(講義) キーワード:集客、データ資産、Webビジネス |
自然言語処理
自然言語処理はWeb検索やかな漢字変換にとどまらず,様々なシステム・サービスに応用が広がっている.本講義では,自然言語処理の基本となる要素技術(形態素解析,構文解析など)を学ぶとともに,検索,文書分類,翻訳,対話など代表的な応用事例について,演習を行いつつ学習する.また,近年発展が著しいニューラルネットワークを用いた自然言語処理の最新の研究成果やChatGPTをはじめとする大規模言語モデルについて解説する.
日程 | 講義内容 | |
第1回 | 11月29日(水) 17:50~19:20 | 自然言語処理概論 キーワード:形態素解析,構文解析,意味解析 |
第2回 | 11月29日(水) 19:35~21:05 | 深層学習による自然言語処理(1) キーワード:分布類似度,ニューラル埋め込みモデル |
第3回 | 12月6日(水) 17:50~19:20 | 深層学習による自然言語処理(2) キーワード:ニューラル言語モデル,系列変換モデル |
第4回 | 12月6日(水) 19:35~21:05 | 深層学習による自然言語処理(3) キーワード:機械翻訳,要約,対話,機械読解 |
第5回 | 12月20日(水) 17:50~19:20 | 演習 |
第6回 | 12月20日(水) 19:35~21:05 | 演習 |
深層学習・画像認識
深層学習(ディープラーニング)は,今⽇のAIブームを作った中⼼的な技術であり,様々な分野において⼈間の性能を超えるシステムを実現可能にしている.その中でも画像認識においては,それまで難しいとされていた⼀般的な画像認識を実⽤レベルまで押し上げることに成功している.本科⽬では,深層学習の基礎と画像認識への応⽤について講義と演習を通して学ぶ.演習ではGPU計算機を利⽤して,深層学習を⽤いた画像認識・⽣成・変換について,モデルの学習も含めて,実際にプログラムを動かすことを⾏う.
日程 | 講義内容 | |
第1回 | 12月2日(土) 13:00~14:30 | 深層学習の背景(講義) キーワード:深層学習による機械学習⾰命,従来⼿法との違い |
第2回 | 12月2日(土) 14:45~16:15 | 深層学習の基礎(講義) キーワード:畳み込みネットワーク,勾配降下法,誤差逆伝搬法,画像分類 |
第3回 | 12月13日(水) 17:50~19:20 | 深層学習 画像応⽤(1)(講義) キーワード:物体検出,領域分割,可視化,キャプション⽣成 |
第4回 | 12月13日(水) 19:35~21:05 | 画像認識 演習(演習) キーワード:画像分類,可視化,Python,Keras |
第5回 | 12月23日(土) 13:00~14:30 | 深層学習 画像応⽤(2)(講義) キーワード:画像⽣成,画像変換,GAN |
第6回 | 12月23日(土) 14:45~16:15 | 画像⽣成・変換 演習(演習) キーワード:画像⽣成,画像変換,GAN,Python, Keras |
数学・統計学基礎
機械学習や深層学習に使われる線形代数、微分積分学、確率論、統計学の基礎を、機械学習や深層学習に必要な最小限の項目に絞って解説します。
日程 | 講義内容 | |
第1回 | 10月14日(土) 14:45~16:15 | 数学・統計学基礎 キーワード:微分積分学、線形代数、最適化理論 |
第2回 | 10月14日(土) 16:30~18:00 | 数学・統計学基礎 キーワード:確率論、統計学、パラメータ推定、最尤法 |
機械学習基礎・データサイエンス
最初に統計学や線形代数の基礎を復習してから、統計的機械学習の入門として、回帰分析から決定木までを説明します。Python環境でのハンズオン形式を取り、コードを実行しながら説明します。教材は主に英語ですが、説明は日本語で行います。機械学習の分野では英語のドキュメントにアクセスする必要も多々ありますので、多少難しいかもしれませんが、慣れていただくことをお勧めします。
日程 | 講義内容 | |
第1回 | 10月25日(水) 17:50~19:20 | データサイエンス概論(講義) キーワード:統計的データ解析、データマイニング、データサイエンス、パターン学習、統計的学習理論 |
第2回 | 10月25日(水) 19:35~21:05 | ウェブにおけるデータサイエンス(講義) キーワード:分類予測、アンサンブル学習、サポートベクトルマシン、ランダムフォレスト |
第3回 | 10月28日(土) 10:30~12:00 | 実応用例の紹介と演習(1)(演習, 講義) キーワード:R、Python、Perl、Ruby |
第4回 | 10月28日(土) 13:00~14:30 | 実応用例の紹介と演習(2)(演習, 講義) キーワード:R、Python、Perl、Ruby |
第5回 | 10月28日(土) 14:45~16:15 | Webデータの解析(演習) キーワード:データマイニング |
ゲーム人工知能概論
パズル、ボードゲームおよびカードゲームなどの思考力を競うゲームは、知能実現に挑戦する人々に明解な目標を提供してきた。計算機科学黎明期にも、チューリングやシャノンは計算機にチェスをプレイさせることに挑戦した。本講義および演習では、カードゲームのブラックジャックを題材にして、モンテカルロ法や強化学習法の基礎を学びながら、ゲーム人工知能開発に挑戦する。
日程 | 講義内容 | |
第1回 | 11月15日(水) 17:50~19:20 | ブラックジャックとそのゲームプレイ(講義、演習) キーワード:ブラックジャック |
第2回 | 11月15日(水) 19:35~21:05 | モンテカルロ法と期待値推定(講義、演習) キーワード:モンテカルロ法、統計処理 |
第3回 | 11月22日(水) 17:50~19:20 | 固定方策の評価(講義、演習) キーワード:強化学習、確率的方策関数、開始点探査 |
第4回 | 11月22日(水) 19:35~21:05 | 方策改善(講義、演習) キーワード:方策改善、控除率 |
機械学習工学
深層学習をはじめとした機械学習技術の進化により、その産業応⽤に向けた活動が盛んになっている。⼀⽅で機械学習を⽤いたシステムの開発・運⽤・品質保証は,従来のソフトウェア開発と特性が異なり新たなアプローチが提起・議論されている(機械学習⼯学)。本講義においては、従来のソフトウェア⼯学技術も振り返りながら、特に品質や信頼性の観点に注⽬しつつ、機械学習⼯学に関する最新の動向について解説する。
日程 | 講義内容 | |
第1回 | 11月11日(土) 13:00~14:30 | 機械学習工学概論(講義) キーワード:機械学習,深層学習,ソフトウェア工学 |
第2回 | 11月11日(土) 14:45~16:15 | 品質モデル(講義) キーワード:品質モデル,ガイドライン,予測性能,汎化性能 |
第3回 | 11月18日(土) 13:00~14:30 | ソフトウェア工学技術の展開(講義)(演習) キーワード:ソフトウェア工学,頑健性,タモルフィックテスティング,デザインパターン |
第4回 | 11月18日(土) 14:45~16:15 | 固有の品質特性(講義) キーワード:公平性,説明可能性・解釈性,セキュリティ,敵対的サンプル |
※カリキュラムは変更になる場合があります。